原発事故の告発受理 福島など3地検 福島民報(8/2)
東京電力福島第一原発事故をめぐり、福島地検は1日、東電幹部や政府関係者に刑事責任があるとして「福島原発告訴団」が提出した業務上過失致死傷容疑などの告訴・告発状1件を受理した。また、同日付で東京地検が3件、金沢地検が1件の告発を受理した。最高検の指揮の下、3地検が原発事故における刑事責任の有無を捜査する。
福島地検が受理したのは、東電の勝俣恒久前会長や清水正孝元社長ら旧経営陣の他、原子力安全委員会の班目春樹委員長、保安院の寺坂信昭前院長ら計33人は業務上の注意義務を怠り原発事故を発生させ、避難した入院患者らを死亡させた上、多くの住民を被ばくさせるなど傷害を負わせたとする業務上過失致死傷容疑の他、公害犯罪処罰法違反容疑、業務上過失激発物破裂容疑。33人には山下俊一福島医大副学長ら県放射線健康リスク管理アドバイザーも含まれている。
検察当局は事故調査への影響を考慮して受理を保留していたが、7月23日に政府事故調が最終報告を発表したことを受け受理したとみられる。今後、東京地検が中心となり、福島、金沢両地検と連携し関係者の事情聴取を進めるが、事故を予見できた可能性や事故と傷害の因果関係の立証など立件は困難なケースが多いとみられている。福島地検の小池隆次席検事は「犯罪事実の特定など告訴・告発の要件が満たされたため受理した」とコメントした。
東京地検が受理した告発は、勝俣前会長や菅直人前首相らについての業務上過失致死傷容疑など3件。金沢地検も東電の旧経営陣を対象とした業務上過失致死傷容疑の1件。
福島原発告訴団は県民ら約1300人で組織し、6月11日に福島地検に告訴・告発状を提出していた。