2012年11月23日

11/22 「東京電力の責任を問う」成澤さん 講演会・報告@

 11月22日、「東京電力の責任を問う」と題して、週刊金曜日の編集部・成澤さんの講演会を開催しました。
 都知事選と解散総選挙で、反原発運動がどう闘うのかか問われる真っ只中で、福島原発事故の当事者である東電の犯罪を明らかにすることは、非常に重要な視点を私たちに与えるものになりました。

 東電は、
 今だ、事故の責任を認めたことがないこと
 東電の責任免除システム
 東電がいかに国家の中枢に位置するのか

 東電を批判し、責任を取らせることがが、福島原発事故によってあらわになったこの国や政治、そして私たちのあり方、人間性を取り戻し、社会を変えていくことにつながる、そのことを確信することが出来ました。

 放射能に襲われている福島の子どもたち、福島の大地とそこに生きる人々に思いをはせ、私たちは自分が絶対に解決しなければならない問題として、東京電力に責任をとらせる運動に取り組んでいきましょう。

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【上映した動画を紹介】




【講演レジュメを公開します。
みなさん、東電の本性にせまってください。
広めてください。
大問題にしていきましょう】

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「東京電力の責任を問う」                        
週刊金曜日 成澤宗男
 Tはじめに 

 事故を起こした当事者の責任として、通常は原状回復が課せられる。だが原発事故がいったん起これば、一企業どころか政府も誰も原状回復などできない(最低でも250兆円必要)。放射能で汚染された広大な山林をどうやって除染するのか。日々放射能が流れ込む周辺海洋を、どうやって浄化するのか。原発事故は、責任など取りようもない桁外れの甚大な被害を、予見しがたいほどの長期間にわたって及ぼす。レベル7の原発事故なら、まともに賠償と復旧事業費に取り組んだら国家の財政破綻も招きかねないような危機的事態になる。結局、重大事故が起きれば業者も政府も責任を取りようがないのが原発であるならば、最初から原発に手を出すべきではなかった。

したがって原発事故の最低限の政府と業者の「責任の取り方」(責任が取れないからといって、何もしなくていいのではない)とは、まず何よりも自分で責任を取りようがなくなる事業にはもう手を出さない(原発と永遠に縁を切る)と誓ってもらうことから出発するしかない。しかし、これすらやろうとしないのだから、「3・11」で何を経験したというのか。そもそも東電は、「事故を起こした責任者」という意識が乏しい。彼らにとって事故原因は「予測不可能な天災」であって、未だ公式には人災とは認めていないからだ。


U常識的企業の「責任の取り方」と、実際東電がやっていること

 まず自社に責任があることを認める→「社内事故調査の最終報告書」(2011/6/20)で、原因は「想定外の津波」と断定。経営陣の責任は一切認めず。
責任者が責任を取る→2011年6月の株主総会で、清水社長は退任したが、最高責任者の勝俣は留任し、その後に日本原子力発電に天下り。取締役と監査役16人中、8人がグループ企業のトップに。これまで、引責辞任も司直の一切の事情聴取も無し。
出来る限り被害者に弁償する→変電設備約8400億円、配電設備約2兆2000億円、送電設備約2兆1000億円、計5兆1400億円を温存。地域独占継続。
現状回復→廃炉の費用は、第1〜第4号機のみで、たった1兆3243億円。5号機、6号機、そして第2原発は再稼動させるつもりだ。巨大規模で進行する水質汚染は対策ゼロ。
二度と事故を起こさないための対処→経営再建の柱が再稼動。これほどの大事故を起こし、「安全神話」も崩壊して未だ原因も不明ながらまだ再稼動に固執。
銀行は「貸し手責任「をとり、債権を放棄する→2012年春に総額約1兆円を追加融資。その条件が、何と原発再稼働と電気料金値上げ!銀行と一体の財務省は、債権放棄で銀行に損をさせたくない。
                  ↓
 弁償という社会的責任を果たすのであれば、東電を破たん整理して@最高の資産である発電と送電に所有権を分離し、資産売却で費用を捻出A銀行の債権放棄―しかない(プラス原子力予算の組み替えも必要)。だが、責任者の東電も政府も、地域独占を死守するために絶対にやらない。
 
U 責任追及としての裁判

A 株主代表訴訟(2012/3/5、45人)
@20年前から、株主総会で脱原発・東電株主運動が地震対策、津波対策などを提案、また老朽化している福島第一原発の早期廃炉を提案してきたにも拘らず、取締役会として 反対を続けてきた。
A2002年7月に発表された文部科学省の地震調査研究推進本部の地震調査委員会の見解、2006年9月に改定された原子力安全委員会の「新耐震指針(発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針)」など数々の警告があったにも拘らず、対策を講じなかった。
B福島原発事故を起こしても、経済性を優先するあまり、海水の注入が遅れたり、
ベントが遅れたことで膨大な放射性物質を大気中のみならず、海洋にまで放出させ多くの人々、そして生物、植物を被曝させた。外部電源を確保するための電線も、耐震設計がなされず。東電歴代の取締役27人は、全資産を売却して5兆5000億円を会社に返却せよ。

B 第一次東電告訴(2012/6/11、1324人。8月に受理)
@1997年に地震学者の石橋克彦・神戸大教授(当時)が論文で、大地震と原発事故が同時に発生する破局的災害の危険を指摘していた。しかし、国の原子力安全委員会は2006年に原発の耐震設計審査指針を改訂した際、担当委員の1人だった石橋氏の警告を無視して、地震による原発への影響を過小評価し、具体的な津波防護策も盛り込まなかった。
A2008年に東京電力は、福島第一原発で想定される津波の高さが15メートルを超えるとの試算を出していた。 しかし、対応する防潮堤の設置に数百億円の費用と4年の期間がかかるため、同社幹部は建屋や重要機器への浸水を防ぐ対策を取らなかった。2010年に原子力安全委員会が、津波を安全対策上の考慮に入れるよう定めた「手引き」を作ったが、東電はそれでも対策を怠り、原発事故を未然に防ぐことを妨げた。
B福島第一原発の事故が発生した後、国や原子力安全委員会は、SPEEDIなどで放射性物質による汚染が広範囲に及んでいることを早期に察知していながら、とくに子どもたちへの防御策を積極的に取らずに放置した。学者らも、県内の汚染実態を把握していないにもかかわらず、「大丈夫」「安全」との見解を流し続けた。

C第二次東電告訴(2012/11/15約1万3262人)
東電の勝俣恒久前会長ら役員、原子力安全委員会、県の放射線健康リスク管理で助言してきた福島医大の山下俊一副学長ら33人の刑事責任を告発。
東電や国は津波対策を怠り、今回の事故を発生させ、事故後の避難対策や情報開示も不十分で、多数の住民を被ばくさせた。



 V 官僚・野田一派・国家権力ぐるみの「東電責任免除」システムのからくり

最大の問題は、東電のモラル欠如ではない。官僚・野田一派が、以下のような国家権力ぐるみで東電に本質的な責任を取らせない巨大なカラクリを作ってしまった構造的腐敗にある。銀行(財務省)の利益を守り、東電からおいしい思いをするためだけに。

   @「東京電力に関する経営・財務委員会」の報告(2011/9/30)

下河辺和彦(委員長) 弁護士
引頭麻実   株式会社大和総研執行役員
葛西敬之   東海旅客鉄道株式会社代表取締役会長
松村敏弘   東京大学社会科学研究所教授
吉川廣和   DOWAホールディングス株式会社代表取締役会長

 コスト見積もりは、賠償4兆5402億円、除染ゼロ、廃炉1兆3243億円(福島第1の1〜4号機だけ)。まともに計算したら債務超過になるので、コストを過小評価し、銀行の追い貸しができるよう資産超過に改ざん。本来あるべき、「破綻処理して全資産を賠償に当てる」という方法を拒否。
「第三者委員会」と報じられたが、「政府の御用委員会」。事務局を経済産業省が牛耳り、事務局長は産業構造課長などを歴任し、経産省の敏腕官僚として知られた西山圭太。

   A原子力損害賠償支援機構法

可能な限り資産から賠償金を支払わせず、つまり破綻処理せず、東電に「贈与」「交付」という形で資金を出し、東電が返却。結局、電気料金値上げ=国民負担と再稼働で返却。事故を起こした東電の無限責任を実質免除。
● 原子力損害賠償支援機構(原子力事業者が損害を賠償するために必要な資金の交付その他の業務を行うことにより、原子力損害の賠償の迅速かつ適切な実施を確保)の人事は、「東京電力に関する経営・財務委員会」の横滑り。

下河辺(委員長) 弁護士
引頭麻実   株式会社大和総研執行役員
葛西敬之   東海旅客鉄道株式会社代表取締役会長
川端和治   弁護士
田中知    東京大学大学院工学系研究科教授
前田匡史   内閣官房参与
松村敏弘   東京大学社会科学研究所教授
吉川廣和   DOWAホールディングス株式会社相談役

   B「新生」東京電力(下河辺和彦会長)
A「総合特別事業計画」(2012/5/9経済産業省認可)
電気料金10・28%値上げ。柏崎刈羽原発の2013年4月再稼働。
政府の移住制限区域が年20ミリシーベルトからであることを利用し、それ以下は住民全員が「帰宅する」ことを前提として賠償費用を計算。4344「億円削減。除染費用も計上せず。

B「再生への経営方針(2013〜2014)」(2012/11/7)
    ●「 被害者への賠償と高線量地域の除染費用を合計すると、原子力損害賠償支援機構法の仕組みによる交付国債の発行額5兆円を突破する可能性がある。さらに、低線量地域も含めた除染、中間貯蔵費用などについて、同程度の規模の費用が、今後、追加で必要となるとの見方もある」
「 廃止(注=廃炉)措置関連費用は……追加となる研究開発については国の主導を仰いでいるが、今後、燃料デブリの取出し、最終処分まで含めた全費用はこれまでの引当額よりもさらに巨額にのぼる可能性がある」
「被災地の復興を円滑に進めていくために今後必要と見込まれる費用は、一企業のみの努力では到底対応しきれない規模となる可能性が高い」
                 ↓
 「カネをこれだけちょうだい」と要求する側と、「カネをこれだけ出します」と決定する側と、「カネを頂いてこれだけやりました」という側が、何と同一人物!
  その挙句、今その人物が言っていることは、賠償と除染だけで10兆円になるとして「やっぱりダメでした。カネが足りないから政府が何とかして」!これほど前代未聞のデタラメをやらかした野田一派と黒子の経済産業省の官僚を誰も批判しない社会は、正気ではない。


W 結論 
問題は、東電だけではない。命よりも、カネと権力が優先されるこの国の恥ずべき行動様式は行政・企業全体を見ると何の反省もないまま変わっていない。政府と銀行、東電はグルになり、絶対に本来の責任の取り方=破綻処理をさせない。このままだと、また次の「3・11」が繰り返されよう。
「3・11」とは、戦後飽きもせずに自民党という汚職常習犯で土建屋をはじめとする業者団体の政治ブローカー集団、そして世界有数の地震多発国に原発を電機業界とゼネコンの政治資金(賄賂)と引き換えに50数基も建設した利権屋を与党にし続けた、有権者の恐るべき無知と無責任が積み重なってもたらしたのだ。
だが、現在最も悲劇的であるのは、「3・11」が起きたことそれ自体にあるのではない。責任を取れないような事態が起きるのだということを学んだはずなのに、人々は野田の「収束宣言」にさほどの疑問は持たず、官僚と企業は再稼動による原発利権の維持に狂奔し、福島県の行政は人口流出による税収減=地方公務員の収入減を避けたいがためだけで、放射能にまみれながら「回復」と「復興」しか言わない。「3・11」から何も学んでないし、現状を直視せず、真の対策も講ぜずに小手先だけで逃げようとしている。典型は今も国会承認ができていない「原子力規制委員会」で、あれほど批判された業者・御用学者・役人が馴れ合う原子力ムラがごっそり温存された。


【12月10日東電申し入れ行動
 新橋アクションの東電 弾劾の申し入れ書を紹介(当日15時に東電本店前にて)】

 東京電力殿 
 福島原発事故の責任と柏崎刈羽原発再稼働撤回を求める申し入れ書                                      原発とめろ! 新橋アクション
 福島第一原発における事故ならびにその後の対応において、東京電力が犯した罪を認め、謝罪し、その責任を真に果たすことを、私たちは求める。
 私たち「原発とめろ!新橋アクション」は、福島第一原発事故を引き起こした東京電力の責任を追及する行動東電本店直撃デモと学習会を昨年の原発事故の直後から5月以来毎月行ってきた。東京電力は本店前に響き渡る私たちの怒りのシュプレヒコールが聞こえたか。私たちの声に向き合うつもりがあるのか。率直に聞きたい。
 
 私たちを突き動かす思いは、何よりもまず福島の人たちの怒りだ。原発さえなければ、地震と津波にのまれた後でも救助されて死なずにすんだ人がいた。病院から運び出されてバスの中や避難所で死なずにすんだ人がいた。牛や畑や仕事や家や家族や友人を奪われ孤独のなか自ら命を断たずにすんだ人がいた。原発によって東京電力は、どれだけの命を奪ったと思うのか。
 今なお、16万もの福島県民が避難を強いられる一方、多くの子どもたちの体には甲状腺などに深刻な異常が現れはじめている。残るも地獄、避難するも地獄の苦しみを全身に受け、全人生を通して放射能と向き合うことが強制されている。原発によって東京電力は、どれだけ多くの命を危険にさらし、人生を踏みつけにしていると思うのか。
 生活の糧である大地と海への放射能汚染は深刻な状況と言わざるえない。命を返せ、大地を返せ、ふるさとを返せ、人間をかえせ、すべてを返せ! 取り返しのつかない大罪を犯し、再生不可能な無限大というべき被害を生み出している現実を見据え、謝罪し、持てるものすべてをもって償うべきだ。東京電力は、福島の人たちと私たちの怒りに向き合え。

 東京電力は、原発事故発生直後から情報の隠ぺいと事実の否認を続けた。これにより人々に重大な危険性はあることが覆い隠された。東京電力は重大な情報を出さないで隠していたのである。また、東京電力はマスコミなどへも圧力をかけて被害を幾度となく否認し続けた。
 国会事故調によれば、「当委員会は『過酷事故に対する十分な準備、レベルの高い知識と訓練、機材の点検がなされ、また、緊急性について運転員・作業員に対する時間的要件の具体的な指示ができる準備があれば、より効果的な事後対応ができた可能性は否定できない。すなわち、東電の組織的な問題である』と認識する」として、福島第一原発の事故の原因、被害の拡大について東京電力の組織的な問題を重要視している。そして、電力の安定供給が電力会社の責務でありながら、こともあろうに電力不足を国民に煽り立て、原発がなくても電力は足りているにもかかわらず、姑息にも電力不足を装い、原発の再開を迫っていることは許せない脅迫行為である。

 そして、今、私たちの怒りは倍増している。東京電力が柏崎刈羽原発の再稼働を目論んでいるからだ。原発によって大罪を犯した東京電力が、再び原発を運転させるなど言語道断の事態だ。
 東京電力は、現在の経営方針を「事故の責任を全うし、世界最高水準の安全確保と競争の下での安定供給をやり抜く」ことだなどという(『再生への経営方針』11月7日)。その意味は、福島への賠償を口実に原発再稼働で利益をあげ、企業として生き残る、と言っているのにすぎない。
 事故収束と廃炉の見通しすら立たず、被曝労働を強いられる労働者の健康も生活も守れず、事故の被害を償うことすらできない東京電力が、何で「責任を全うし」だとか、「世界最高水準の安全確保」などと言うことは、再び国民をだまし、取り返しのつかない犯罪である。
 また、最近になって、東京電力自らが「津波のリスクの検討を公表すると運転停止につながる」「過酷事故対策は訴訟上のリスクとなる」「反対運動が勢いづく」などと考えていたと、言い出した(10月12日付『原子力改革の進め方』)。福島第一原発事故は、原発の危険を百も知りながら目先の利益と原発の維持を最優先させてきた確信犯によって行われた犯罪だ。
 原発とすべての核に「世界最高水準の安全」などない。もうこれ以上、ウソを重ねるのはやめるろべきだ。柏崎刈羽原発をはじめとするすべての原発の再稼働をやめろよ。東京電力が所管するすべての原発をただちに廃炉にするよう要求する。
 
 私たち「原発とめろ!新橋アクション」は、東京電力が犯した罪を認め、謝罪し、その責任を真に果たすまで、今後も行動を続けることをここに宣言する。


【12月10日 15時 東京電力本店前に集まって!!
 一人一人の怒りをぶつけよう、飛び入り大歓迎!!】

◎後日、講演会の動画をアップします。お楽しみに!!
posted by 新橋アクション at 20:02| 東京 ☁| Comment(0) | 東電の責任 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月19日

【投稿】福島原発告訴団・関東 入会説明会に参加して

 9月16日、品川で「福島原発告訴団・関東」の入会の説明会があり、参加してきました。
 すごく重要な闘いだと思いましたので、投稿します。(KM)

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 武藤類子さん

 今年3月、東京電力の福島原発事故の刑事責任をとらせるために、福島原発告訴団が結成され、6月11日福島地検に告訴されました。

 そして現在1324人の福島在住、福島から避難された方の告訴は、広瀬さんや他の告訴と同様に8月1日に受理された。

 なぜ、告訴に取り組んだか?
 間違いをあらためさせる、若い人こどもに対する大人の責任のとり方として、取り組んでいく。告訴にどんな意味があるのか、刑事罰を出して、責任を取ってもらいたいということ。福島が分断と対立が生まれているので、闘うべき相手が誰なのか、をハッキリさせたい。そして陳述書を書くことで、その行為を通して、被害の認識をして立ち上がる、おかしいことはおかしいと、そのことを伝えていこうという趣旨。

 6月に出された告訴団の声明にその思いはあふれ出ていいますので紹介します。

 「事故により、日常を奪われ、人権を踏みにじられた者たちが力をひとつに声をあわせ怒りの声を上げました。
 告訴へと一歩踏み出すことはとても勇気のいることでした。
 人を罪に問うことは、私たち自身の生き方を問うものでもありました。
 しかし、この意味は深いと思うのです。
 ・この国に生きるひとりひとりが大切にされず、だれかの犠牲を強いる社会を問うこと
 ・事故により分断され、引き裂かれた私たちが再びつながり、そして輪を広げること
 ・傷つき、絶望の中にある被害者が力と尊厳を取り戻すこと
 それが、子どもたち、若い人々への責任を果たすことだと思うのです。
 声を出せない人々(亡くなった人など)や生き物たちとともに在りながら、世界を 変えるのは私たちひとりひとり。
 決して、バラバラにされず、つながりあうことを力とし、怯むことなくこの事故の責任を問い続けていきます。(福島原発原告団、告訴声明 2012/6/11)」

 この福島の第一告訴団に続き、この原発事故の被害者は福島だけでなく、全国の人々も対象である、自分の問題として取り組んでほしいということで、告訴を呼びかけようと、現在全国10箇所で事務所が開かれ、10月15日までに1万人の入会の拡大を進めている。

 武藤さんも告訴告発ということは、どういうことか知らず、勉強会からはじめた。3月に告訴団結成をやり、6月までは、300人程度だったが、「知り合いに広げよう」という提案が功を奏し、1324人で福島地検に告発した。なぜ、福島地検にしたのかというと、線量の高い郡山市にあるので、そこで働く人々にも呼びかけるという意味合いからだそうだ。
 そして、この告訴団の説明に入る前に、武藤さんと森園さんから、福島の現状について提起があった。それは、新聞や、テレビで見聞きするよりも、厳しい現実と苦悩に満ちたものでした。

《武藤さん》スライドで映像をみせながら、
 @福島第一原発事故の現状について
  ・やはり4号機がどうなるのかということが一番の恐怖だと語っていた。
  今は、建物の上半分が撤去され、格納容器が丸見え、1300本以上のの使用済み燃   料がどうなるのか。
  ・1から3号機は、70シーベルト。人間は、7シーベルトで確実に死ぬ。これは、30年たっても35シーベルトにしかならない。生身の人間が決して入ることはできない。入るには300年かかる。
 A郡山駅東口のモニタリングポスト。
  0.98マイクロジーベルト/毎時
  除線をして、0.5マイクロになった。
  郡山の女子大は、6月の時点で0.6マイクロ。
 B被曝の問題
 政府は、事故の直後、情報隠し、「安全だ」そして今は「大丈夫だ」と言って回った。
年間被曝上限基準1ミリシーベルトが20ミリシーベルトにされた。文科省は、1ミリを目指すと言っただけで、20ミリは撤回していない。
 情報が隠されたため、3月11日から15日の間に、低い線量から高い線量の所に避難した人がいる。
 学校は春休みだったが、教育委員会の対応があいまいだったために、卒業式で、避難先から戻って被曝した子どももいた。
 安定ヨウ素剤は、70万人分用意されていたが、積極的に配られなかった。もらっても県や国の指示がないと飲めないと言われた。私の三春町では、町の3役と医者と看護師が夜を徹して話し合って、「40歳未満の人 に配る」と決めた。
 行政はことごとく手遅れだった。自らの判断ができないとダメだ、と思った。
 C除染
 莫大な予算。大成、鹿島などのビジネスになっている。
 そこで、家や職をうばられた人が、ぺらぺらのマスク、ゴムと布の手袋をひとづつ持たされ、1万円/1日。被曝させられている。
 除染をしてもなかなか先が見えない。
 川内村は、20キロ圏内。3千人の人口。一番先に帰村宣言した。除染がはじまり、8月に終わった家を見た。家の周りの5メートルは木などを切って、土は5センチはいで新しい土を入れた。玄関先で1.4マイクロ。その放射能のゴミは、家の前におかれ、4マイクロあった。それは、山の中の仮置き場に運ばれ、そして中間貯蔵施設、最終処分場へ。まだこれは決まってない。
 端の家から除染をはじめ、10軒目くらまでいくと1軒目の線量はもと に戻っている。
 井伊舘村は、除染に4億円、川内村は50億円かける。
 ガンマ線は100メートル飛ぶといわれ、雨は山から家へ、放射能を運ぶ。放射能は減らない。移っていくだけ。
 
D復興
 去年は外でやらなかった行事をやるようになった。鼓笛隊、幼児の夢マラソン、子ども祭り、ラーメン祭りなど。
 学校でも、外での活動の制限時間が解除された。
 プールサイドが0.6マイクロ以下なら使用できると、鉄板ならべたり、人工芝をしいたり。そこまでしてプールに入れた。
 子どもを使って、「もう事故は終わった」と宣伝をしている。去年の12月収束宣言をした。規制委員会では、緊急事態だからと任命しようとしている。
 被災者につけこむような形で、事故を風化させようとしている。福島は、大変な現実があります。

 《森園さんのお話》
 子どもの甲状腺がんの問題について。「癌」と診断された子どもがひとり出たのをうけて、すぐに申し入れ・質問状を提出した。
 ほんとに一人なのか、何歳なのか、と。すべてプライバシーにかかわると拒否。
チェルノブイルの経験上、年齢によって判断出来るといことがあるから。のう胞、しこりもどう対応していくのか、詳しく知ることができれば、疎開や食物をどうするかと対応ができるはずなのに。
 山下は、自分が出来なかった、チェルノブイリの事故直後の3〜4年間分のデータを集めようと思っているのではないか。
 告訴によって、捜査がはいって責任を追及する。
 健康に関しては、一分一秒を争う事態。大人が本気になってやらないといけ ない。ドイツでも脱原発まで5〜10〜20年かかったけど。国民がいろんなかたちで声をあげいった、その中に、2千以上の告訴告発があったと聞いた。
 郡山の自宅の近くの公園は、池の上澄みが、70万ベクレル。雨水が相当高いのではないかと思う。ベンチは4万ベクレル。高校生に公園で遊ばないよう、声をかけた。そしたら知らなかった、だれも教えてくれなかったと。声に出せない、ジレンマを抱えている。みんなお腹の中ではわかっている。責任を取らせたいと思っている。一歩を踏み出して、命をつなげていきたい。 

 正確に聞き取れていない部分もあると思いますが、出来る限りレポートしました。
 私としては、自分も被害者となって闘う主体としてハッキリさせるためにも、入会をしようと考えました。入会手続きは、簡単です。
 「福島原発告訴団・関東」http://dainiji-fukusimagenpatsu-kokusodan.blogspot.jp/をご覧ください。
 
 東京電力に責任を取らせるために! がんばりましょう!
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 *集会の最後に、武藤さんの喫茶店の話がありました。

posted by 新橋アクション at 08:42| 東京 ☔| Comment(0) | 東電の責任 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月28日

6/27 エテコン 株主闘争 投稿

アクセル・ケーラー・シュヌーラ会長 語る

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【株主総会会場に入る前の記者会見で】 アクセル・ケーラー・シュヌーラ会長
 私たち「エテコン」は今回、東京電力に「ブラックプラネット賞」を授与するために訪日しました。私たちは2006年から毎年、最も地球環境を破壊し、人類に最悪の問題を生じさせた人間もしくは企業にブラックプラネット賞を授与してきました。2011年11月には東電に対する授与式を200人で行いました。対象は、東電の清水前社長と勝俣会長、西沢社長、その他責任者および東電です。
 私たちは24日に訪日し、25〜26日に福島に行きました。そこで、何百万人もの人間を危険にさらす信じられない現場を見ました。放射線量を測ると、どんどん上昇していくのです。
 私たちは今日、ブラックプラネット賞を今日、東電に授与します。東電の主要株主は何よりもまず、救済のための金を自分の懐から出すべきです。日本から、そして全世界から原発はなくなるべきです。

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【株主総会会場を出てきた後】 シュヌーラ会長
 私たちを株主総会に出席させないという東電のものすごい圧力の中で、今日、日本の仲間たちの協力により、東電の株主総会の会場に入ることができました。
 私は30年間、ドイツで批判的株主運動をしてきた。ブラックプラネット賞の授与行動では数々の企業のひどい対応も経験したけれど、東電ほどひどい対応は初めてだ。
 どの株主総会でも株主は発言権を持っているが、東電の株主総会ではそれができない。私たちは「意見を言いたい」と長時間、挙手し続けたが、東電は私たちに発言権を与えなかった。
 まるで封建時代のような独裁的な議事運営だ。昔の皇帝と臣下の関係を思い起こした。東電の勝俣会長らは皇帝のような権利を持ち、すべてを独裁的に支配しているのだ。「何時に終わらせる」「批判的な意見は封殺する」と決めていて、それを実践したのだ。
 東電はメディアが株主総会に入ることも認めず、会場から締めだした。本当に非民主的だ。
 このような対応をしたのは、地球環境をここまで汚した東電が、この賞を受けることを恐怖しているからだ。ブラックプラネット賞のトロフィーは、28日の東電デモで必ず渡す。

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妨害にあうエテコン 
(投稿 i)

エテコンと一緒に東電を追いつめよう!東電・関電直撃デモ
 6月28日(木)
  17:30〜新橋駅SL広場前 リレートーク
   エテコン、椎名千恵子さんら参加 福島から怒りの声が炸裂
  18:30〜桜田公園デモ出発 
  鳴り物、プラカード大歓迎!雨にも気をつけてね!
posted by 新橋アクション at 05:26| 東京 ☀| Comment(0) | 東電の責任 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月27日

6/27 株主総会闘争 夕刊各紙

 今日の東電株主総会の最大の焦点は、やはり、福島第一原発事故の責任が東電経営陣にあるのだ、ということと、それと表裏一体で、福島の人々を切り捨てている現実を絶対に許してはならない、ということだったと思う。国有化や再建計画云々の前に、福島原発事故を直視しなければならないのだ。経営陣をここから逃してはならない。そして、原発を再稼働はもちろん、すべての原発を廃炉にすべきだ、という結論を導き出さねばならぬのだ。
 ドイツから来てくれたエテコンは、福島原発事故の責任を東電の勝俣会長、清水前社長、西沢社長そして大株主に求めている点が、明確なことだ。
 彼らは、東電に「ブラックプラネット賞」を授与し、そして何よりも、福島現地に赴き、福島の人々との交流を求めた。
 敵と味方がハッキリしている。
 明日の東電・関電直撃デモをやりきって、6月29日(金)の首相官邸前抗議行動に参加したい。(K)
 
 再稼働・東電・野田 3つまとめて許さない!
 エテコンと一緒に東電を追いつめよう!

 6月28日(木)
  17:30〜新橋駅SL広場前 リレートーク
   エテコン、椎名千恵子さんら参加 福島から怒りの声が炸裂
  18:30〜桜田公園デモ出発 
  鳴り物、プラカード大歓迎!雨にも気をつけてね!
 
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エテコンの記事が少し出ています。
横断幕は新橋アクションのものです。
「二度と稼働させるな!東電直撃デモ 原発とめろ!新橋アクション」と書いています。3月26日に柏崎刈羽原発が止まった記念に作りました。

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誰も責任をとらない、福島の人間の心がおれてしまう…

福島第1原発事故 福島の怒り、1324人「原子力ムラ」告発
 追及なくては日本の未来危うい  毎日新聞 2012年06月26日 東京夕刊


業務上過失致傷容疑などで東京電力社長らを告訴した「福島原発告訴団」=福島市で2012年6月11日、
 ◇津波安全対策「手抜き明らか」 「放射性物質飛散は公害犯罪」 焦点…被ばくは傷害なのか
 福島第1原発事故で被ばくさせられたとして、1324人もの福島県民が東京電力や国などの責任者33人を福島地検に告訴・告発した。福島事故は犯罪だとして「原子力ムラ」の処罰を求めたのだ。【戸田栄】

 「誰も責任を取らない。このままでは仕方がなかったことにされ、福島の人間の心が折れてしまう。福島事故を思い出してください。あれだけの事故の責任追及がなくては、福島のみならず日本の未来が危うい」。福島原発告訴団副団長を務める、同県いわき市議の佐藤和良さん(58)が、憤りを込めて告訴・告発の意義を語る。

 訴えの内容を確認しよう。犯罪被害者が加害者の罪を問うよう申告するのが、告訴である。1324人は自らの被ばくは傷害にあたるとして業務上過失致傷容疑で告訴した。一方、告発は第三者が当局に犯罪を知らせ、処罰を求めるもの。告訴団は事故で病院に取り残されて死亡した患者や、事故後の将来に絶望した自殺者、他の被ばくした県民らについて同過失致死傷容疑で告発。さらに、有害物質排出による死傷に罪を科す公害犯罪処罰法違反容疑でも告訴・告発した。
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